①旧債振替制限条項違反(約定書第11条第1号)②保証契約違反(約定書第11条第2号)③故意・重過失による取立不能(約定書第11条第3号) 信用保証協会の承諾を得ずに、金融機関がマル保融資の全部または一部をもって自行の既存の債権の回収に充てた場合は、「旧債振替」に該当し、信用保証制度の趣旨・目的に照らして保証債務の全部またはその充当額について保証免責となります。主な該当事例を例示すると、(a)不渡手形の買戻金に充当した場合、(b)つなぎ融資の回収金に充当した場合、(c)代理貸しの代理店が自行のマル保融資をもって既存の代理貸債権(自己の将来求償権)を消滅させた場合、(d)僚店債権の回収金に充当した場合など。 金融機関が、信用保証書に記載された被保証債権の内容や保証条件と異なる貸付を実行した場合、約定書の各条項に違反した場合、または金融機関と信用保証協会との間で実質的に合意が成立している各種保証制度要綱や事務取扱要領に違反した場合は、違反の内容によりマル保融資の全部または一部について保証免責となります。主な該当事例を例示すると、(a)信用保証書上の貸付金額と実際の貸付実行金額が相違した場合、(b)保証期間と貸付期間が相違した場合、(c)貸付形式が相違した場合、(d)返済条件が相違した場合、(e)保証条件担保や保証人を徴求しなかった場合あるいは条件と異なる担保や保証人を徴求した場合、(f)金融機関の管理上の過失により保証条件と異なる資金使途に利用された場合、(g)「旧債決済後本件実行のこと」等の回収条件を履行しなかった場合、(h)各種通知の誤報あるいは懈怠があった場合等 金融機関がマル保融資の債権または担保の保全・管理を怠った等、故意または重大な過失により、債権の全部または一部の履行を受けることができなくなった場合、すなわち信用保証協会が取得する求償権の侵害が生じた場合は、原則としてその範囲で保証免責となります。ただし、信用保証制度の趣旨・目的に照らして保証債務の全部について免責を認めるのを相当とする特段の事情がある場合には全部免責となります。主な該当事例を例示すると、(a)金融機関が当然に行うべき保全措置を講じなかったため担保物件または担保権の滅失を招来した場合、(b)事故事由発生後に信用保証協会の同意を得ずに保証条件外担保の解除または保証条件外保証人の免除を行った場合、(c)金融機関が自己の債権のみの回収を図り、マル保融資を放置した場合、(d)破産法、民事再生法、会社更生法の適用を受けた場合に金融機関が債権届出をしなかった場合、(e)その他金融機関が当然行うべき法的手続等を怠ったため後日債権の全部または一部の回収を図ることができなかった場合等。該当 ⑶故意・重過失による取立不能 ………破産債権届出の未提出による取立不能 ………延滞中に保証人の定期預金を解約し、払戻に応じたことによる取立不能(参考)最近の免責事例 ⑴旧債振替制限条項違反 ………先行するプロパー手貸の決済に充当 ⑵保証契約違反 ………非事業性の有価証券の取得資金に流用 ……… ABL固有の免責事由(回収金口座からの出金停止措置や売掛債権の保全措置義務違反)に❷保証免責事由について66
元のページ ../index.html#67