【覚書】(条件外担保一部移転)⑴登記の目的は、「原根抵当権の根抵当権者を信用保証協会とする変更」です。 登記の権利者は現所有者(根抵当権設定者)、義務者は金融機関(原根抵当権者)となります。⑵登記費用については、原則として信用保証協会において負担いたしますので、領収証等を添付しご請求ください。〔留意点〕① 根抵当権一部移転においては、「代位弁済額を登記する」こととされている(不動産登記法第84条)ため、金融機関における根抵当権の持分が減少してしまうような印象を受けますが、信用保証協会では「準共有している根抵当権について、極度内では金融機関のプロパー債権が保証付債権に優先して配当を受けられる」旨の「覚書」を金融機関との間で取り交わし、金融機関に損害が生じないようにしています。② 被担保債権に、代位弁済予定の保証会社保証付債権が含まれている場合で、協会保証付、保証会社保証付ともに、代位弁済後に条件外一部移転を行う場合には、金融機関を含めた三者での覚書締結となります。また協会保証付、保証会社保証付に対する配当は、原則として同順位となります。③ 被担保債権に、金融機関プロパーの保証債務(※当該債務者が他の債務者の保証人になっており、主債務と保証債務が併存しているケース)が含まれている場合で、保証協会に条件外移転を行う場合には、原則として主債務たる協会保証付債権が優先となります。④ 信用保証協会の保証付貸金の保証人となっていない担保提供者(同人から譲り受けた者を含む)との間では、信用保証委託契約の締結に旧民法501条5号(改正民法501条第4、5号)の特約がなく、信用保証協会にとって負担部分が生じるため、条件担保引当時に徴求している「求償しない旨の念書(様式M17)」の差し入れにご協力をいただき求償権回収の一助として移転をお願いすることがあります。⑤ 2020年4月1日施行の民法(債権関係)改正により、信用保証協会による代位弁済を原因として金融機関から根抵当権の一部移転を受けた場合、当該根抵当権を保証協会が単独で行使するためには、単独行使について金融機関から同意を得る必要があるため、一部移転における金融機関と当協会が交わす「覚書(条件担保および条件外担保とも)」に、根抵当権の設定対象物件に係る権利行使を保証協会が単独でできる旨を追記しています。(注) 登記実務においては、「移転」登記すべきとする見解(先例解説329-40)と、「変更」登記すべきとする見解(登記研究592-185、昭38.12.27民甲3346号[ただし旧根抵当権])、がありますが、「変更」登記すべきとの見解が有力となっています。 Point!!信用保証協会に対して、一部移転後、当初の債権者たる金融機関のプロパー債権が完済となった場合には、主登記たる根抵当権者(=金融機関)を、信用保証協会へ変更する登記手続き(注)をとってください。62
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